看護師が不動産を買った日

―「これで家族を守れる」と思えた瞬間―

夜勤を月に5回こなしていた頃、

私はいつも、勤務明けにそのまま眠り続けていた。

家に帰るのは朝。

気づけば、目が覚めるのは15時頃。

身体は休んでいるはずなのに、

心はまったく回復していなかった。

リビングで家族の気配を感じながら、

ぼんやり食事を食べていると、

妻がそっと声をかけてくる。

「少し疲れてる?」

笑ってごまかしたけれど、

本当は、疲れていたのは身体だけじゃなかった。

■ 子どもの時間と、私の時間が交差しない生活

子どもが寝ている間に家を出て、

帰ってきたときには、もう眠っている。

「今日、何があったの?」と聞きたいのに、

聞く相手は、夢の中にいる。

看護師としてのキャリアは順調だった。

認定看護師になり、特定行為研修を終え、

学会発表も毎年続けていた。

それなのに、

なぜか心は満たされなかった。

働き方だけが、置き去りにされているような感覚。

■ 不動産に出会ったとき、意外にも怖さはなかった

不動産は怖い世界だと思っていた。

借金。

失敗。

詐欺。

でも、実際に向き合ってみると、

私の中にあったのは「恐怖」ではなく「納得感」だった。

メンターがいて、

本を読み、数字を何度も確認し、

リスクを一つずつ潰していった。

だから、不動産はギャンブルではなく、

「理解できる選択肢」になっていた。

■ 最初に買った物件は、新潟市中央区の小さな一棟アパート

  • 新潟市中央区
  • 1棟4室のアパート
  • 価格は3000万円後半
  • 自己資金は諸経費込みで約800万円

契約書にサインをした瞬間、

私の中に浮かんだ感情は、意外なものだった。

「これで、家族を守ることができる。」

不動産を買ったというより、

“選択肢”を手に入れた感覚だった。

夜勤に依存しなくても生きていける未来。

子どもと同じ時間に起きて、

同じ時間に眠れる可能性。

その可能性に、私は初めて触れた。

■ 看護師だからこそ、不動産を理解できた

看護師の仕事は、

感覚ではなく、アセスメントで判断する。

  • 最悪のケースは何か
  • どこにリスクがあるか
  • どうすれば回避できるか

不動産も同じだった。

「なんとなく怖い」ではなく、

「どこがリスクなのか」を分解する。

気づけば、

看護師として培ってきた思考が、

そのまま不動産に活きていた。

■ 本当に怖かったのは、不動産ではなかった

私が本当に怖かったのは、

夜勤を続ける未来だった。

働けば働くほど、時間がなくなる。

子どもが大きくなるほど、

一緒にいられる時間が減っていく。

その人生の方が、

私にはよほど怖かった。

だから私は、不動産を選んだ。

■ そして私は、「お金の見方」が変わる瞬間を迎える

物件を購入したあと、

私は初めて「税金」という世界に触れる。

減価償却。

経費。

給与所得と不動産所得の違い。

同じ100万円でも、

働いて得た100万円と、

資産が生み出す100万円は、

まったく意味が違うことを知った。

これは、看護師として働くだけでは、

一生知ることのなかった世界だった。

次回、

「看護師が“税金”を知ったとき、価値観が壊れた話」。

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