夜勤をやめた日

― 不安と引き換えに、取り戻したもの ―

夜勤をやめると決めたとき、

私はすでに数字では理解していた。

夜勤をやめても、

生活は成り立つ。

もう一棟不動産を購入し、

月のキャッシュフローは約18万円。

夜勤をやめれば、

収入は月10万円減る。

計算上は、問題ない。

でも、感情は違った。

「本当に大丈夫かな?」

理由のない、不安。

根拠のない、怖さ。

数字では説明できない感情が、

ずっと胸の奥にあった。

■ まだ埋まっていない部屋があった

その頃、

すべての部屋が埋まっていたわけじゃない。

未入居の部屋もあった。

もし、入居者が決まらなかったら?

もし、修繕が重なったら?

そんな「もしも」が、

頭の中を何度もよぎった。

不動産は、

安定した収入ではなく、

「変動する収入」だという現実。

それを理解していたからこそ、

簡単には割り切れなかった。

■ 子どもの一言が、胸に刺さった

ある日、子どもが、ふと聞いてきた。

「もうパパは夜働かなくていいの?」

一瞬、言葉を失った。

夜働くことが、

子どもにとって当たり前になっていた。

私は、その事実に気づいた瞬間、

胸が締め付けられた。

ああ、私は、

“夜いない親”になっていたんだ。

■ 収入が減ることより、怖かったもの

正直に言うと、

収入が減ることは怖かった。

でも、それ以上に怖かったのは、

この生活が一生続くことだった。

子どもの成長を、

夜勤の合間にしか見られない人生。

家族と同じ時間を生きられない人生。

それだけは、

どうしても受け入れられなかった。

■ 夜勤をやめた翌日、気づいたこと

夜勤をやめた翌朝。

アラームではなく、

家族の気配で目が覚めた。

窓の外は、明るかった。

「こんな朝、いつぶりだろう。」

その瞬間、

私は初めて気づいた。

お金が減っても、

人生は減っていない。

むしろ、増えていた。

■ 看護師の働き方は、もっと自由でいい

夜勤を続ける看護師も、正解。

キャリアを追い続ける看護師も、正解。

でも、

「自分の人生を削る働き方」だけは、

正解じゃないと思った。

だから私は、夜勤をやめた。

不安は、今でもゼロじゃない。

でも、後悔は、一度もない。

次回、

「看護師が“安定”を手放した理由」。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA